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2008年11月13日 (木)

隠蔽捜査 / 今野敏

【感想】

【第27回吉川英治文学新人賞受賞作品】

警察内部の内輪揉めを描いた作品です。

主人公・竜崎のふるまいは、まさに大半の人がイメージする官僚そのもので、小説とはいえ読んでいて非常に不愉快になりました(^^;

しかし、一通り読み終えてみると、あらビックリ。自分の進退よりも組織としての警察庁のとるべき真の危機管理を考える竜崎の姿勢に、好感度がグーンと?アップ!

特権とともに大きな義務も背負うことをきちんと自覚しながらエリート意識をもつこと、そして情に流されず、理性と正確な判断で最善策をくだす竜崎の行動こそ、まさに我々が望むキャリア像と言えますね。

まぁ、現実にこんな事態になったら、組織に潰されてしまうのがオチでしょうが・・・(゚c_,゚`。)プッ

<印象に残った言葉>

『発想を豊かにする教育などと、馬鹿な事を言ってる教育評論家がいるが、人間、追いつめられた時の発想こそ大切なのだ。追いつめられた事のない子供に本当の発想力など芽生えるはずがない。』(P21)

『人間は後先を考える事のできる唯一の動物だ。だから、思慮の欠けた者が人間として一番劣っている事になる。人間として最も大切なのは理性であり思慮深さだ。愛情ならば犬猫だって持ち合わせている』(P109)

『無能な上司は、何か問題が起きたときに、それが誰のせいかを追求したがる。有能な上司は、対処法を指示し、また何かのアイディアを部下に求
める』(P176)

『何かの工作をすると、それが暴露されそうになった時に、また新たな工作が必要になる。その新たな工作は、最初の工作よりもエネルギーが必要なのだ。そして、それが次々と連鎖して、しまいにはとてつもない大問題に発展してしまうわけだ。』(P246)

【あらすじ】

警察庁長官の総務課長、竜崎伸也46歳、東大卒。規律と秩序を重んじるキャリア官僚だ。

連続殺人事件のマスコミ対策に追われるなか、竜崎は自宅で息子の麻薬使用現場を目撃してしまう。

息子の不祥事によって、みずからの人生設計を台無しにされ、絶望感に苛まれる竜崎。さらに悪い事に、連続殺人事件の被疑者が現職警察官である事が判明する。

組織を守る事を口実に、警察の不祥事を隠蔽しようと画策する上層部。そして、幼なじみで同期の刑事部長伊丹からは、家族と警察を守るべく息子の不祥事をもみ消すよう勧められ、竜崎は困惑する。

この2つの危機に対して、理性と正確な判断をなにより心がけてきた竜崎がとった行動とは・・・

隠蔽捜査 Book 隠蔽捜査

著者:今野 敏
販売元:新潮社
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